良くなるカラダ

診察の場では患者さんに伝えにくい事をお話しします 専門家としてのつぶやきに加えて趣味の株式投資と大好きな不動産投資や節税策などについても積極的に発言します

後期高齢者である身の年金の使い道

退職してからの投資先は皆様一度は考えた事がお有りでは無いでしょうか。

後期高齢者である私の身内の一人から退職金を使った投資に関して相談を受けました。本人は経理の経験があり歳は75歳です。身内の経営する会社で働いて居ました。貯金は数百万円有りますが年金は月に十万円無く将来への不安を感じているとの事です。


「退職積金が800万円入るが何か増やす方法が無いだろうか? 株で増やすのはどうだろう、あと不動産投資も考えている。今は年金額が十万円も無く少ないことを不満に思っている、配偶者の当時の口車に乗せられて60歳で年金を貰い出したことが悪かった。不動産収入はあるけれど経費を引くと手元に残る金額が少なく感じている。野村グローバル・ハイインカム・ストックファンドを900万円分9年保有しており97万円の利益が出ているので継続して保有すべきかについても聞きたい


スペック

2人暮らし

月収…年金が9.1万円 + 区分不動産の賃料収入7.8万円(現金購入総額1670万円、7.8万円は諸経費を引いた手残り)

自宅…持家 ローン無し 

現金貯金…300万円

退職金…800万円

投資信託…997万円


結果として投資はおすすめしませんでした。何故なら年齢的にリスクを取る事が出来ないからです。株式をどれくらい保有するかに関して100から年齢を引いた割合で株式比率を決める方法が知られて居ます。本人が75歳なので金融資産の25%が株式として保有して良い割合となる訳です。投資するのであればリスクのある個別株の保有は避ける事、信託手数料の格安の上場投資信託、または米国株SP500に連動するETFの購入をお勧めします。ただ、この場合生活防衛費が多いとは言えません。生活防衛費は月の支出額の3ヶ月分と言われます。私で有れば生活防衛費は半年無ければ不安です。


現在、不動産収入がある事は強みとなりますね。(ただ個人名義所有で借入が無い場合には節税メリットが少なくなります。不動産を使った節税に関しては改めて書きたく思います)。特に不動産の追加購入には強く反対しました、アセットが不動産に異常に偏るからです。


野村グローバル・ハイインカム・ストックファンドに関しては私で有れば含み益が出ている間に解約します。現在の含み益は分配金によるもので利益がキチンと出ている事は立派であるものの配当金利回りが過去ほど高くありません。2021年2月の時点で、設定時の価格10000円に比較した基準価約9500円と振るわないことが一つと年間分配金利回り0.2%、信託報酬1.21%と赤字となる事が二つ目の理由です。


老後に持っている大切な現金を失う事なく保有する事が何よりも重要ですね。