良くなるカラダ

診察の場では患者さんに伝えにくい事をお話しします 専門家としてのつぶやきに加えて趣味の株式投資と大好きな不動産投資や節税策などについても積極的に発言します

役員借入金の対応

〈個人の忘備録です、ご容赦くださいませ〉


【法人の役員借入金の扱い】

私は法人の代表を父から引き継ぎました。父の法人の様な同族会社の決算書には役員が会社に貸付ける役員借入金勘定は良くある事です。多く場合、多額の繰越欠損金を抱えていることがあり、解決策を見いだせず役員借入金がそのまま残っている場合がままあります。父の法人がそれでした。なお、貸しているお金を返すよう請求できる権利を貸付金債権と言います。



【解決策】

○もっとも簡単なのは貸付金債権の放棄です。貸付金債権を放棄するには、役員から会社に貸付金を免除する旨を書いた内容証明郵便を出します。私の場合は税理士事務所にお願いしましたが書式が決まっている訳でもないですから自分で出来たなぁ…と思って居ますただし、貸付金債権を放棄すると、会社では債務免除益という収益が生じます。したがって、税務上の赤字である繰越欠損金の範囲内で債権放棄をおこなうと良いです。この役員借入金は繰越欠損金として繰越できます。平成20年4月1日前に終了した事業年度で生じた欠損金は7年間、それ以降に終了した事業年度で生じた欠損金は9年間になります。ですので9年を超える前に返済見込みのない役員借入であれば債務免除すべきですね。



○非課税制度を利用。1人一年で110万円の暦年贈与枠が有りますので複数身内に貸付金債権を渡します。これも私は税理士事務所に有料でお願いしましたが書式が決まっている訳でもないですから自分で出来たなぁ…と思って居ます。



○DESをする。Debt(債務)Equity(純資産・資本)Swap(交換する)債務と資本の交換です。A法人がその法人役員であるBさんに1,000万円借入を行っていたとします。(役員借入金)Bさんはその貸付金(A法人側から見ると借入金)をもって、A法人に出資をし1,000万円分の株式を得ます。これで法人のバランスシートが見かけで改善します。ただ、債務免除益となり課税されますので、我々は疑似DESをしました。①役員がDESを行いたい債権金額(出資額)と同額の現金を用意する

②出資を行い、実際に法人口座に入金する(同時に役員は法人株式を取得します)

③その出資を受けた金額をもって、すぐに役員借入金を弁済する

上記の順で取引を行うことにより、いったん現金を用意する必要がありますが、税法上は債務消滅(免除)益に課税されるリスクを極力避けた状態でDESを行うことができます。



役員借入金はさほど悪いものでは無いですが、その逆の役員貸付金は、とんでもない事になりますので絶対にしてはいけません。私は法人からの貸付や給料は一円も貰って居ません。そのかわり法人収益の一部を役員借入金返済に充てています。