大幅に株価が上昇 米国メルク社
【米国メルク社の株価が上昇】
以前にこの会社が開発する経口コロナ治療薬の事を書きましたが、今回は企業の株価の事を書きます。
メルクは米国ニュージャージー州ケニルワースに本社があり、日本ではメルクの出資子会社がMSDとして活動しています。取り扱う製品で最も有名な物は癌の免疫治療薬であるキートルーダという薬があり、肺がん、膀胱癌、腎癌などの多くの癌腫で我が国でも治療につかわれています。この他に前立腺癌の遺伝子治療薬リムパーザ、腎癌の治療薬レンビマ、子宮頚がんワクチンガーダシル、手術麻酔の筋弛緩回復薬ブリデイオンなど多岐にわたります。
先月の27日の発表で、米国の製薬大手のメルク社は経口のコロナ治療薬のモルヌピラビルに関して、国際連合を介して医薬品特許プールと契約を結び、多くの企業がジェネリックを製造できるようにするようです。この使用料免除のライセンス契約は計105の低・中所得国に適用されます。
因みに、日本やフランスなどの他国政府もこの薬の確保に向けて動いて居ます。米国FDAが認可した場合50-70億ドルの売り上げが見込まれます。日本円にすると6,000億円以上です…凄いですね。
メルク社の株価はこれらの報道を受けて2ヶ月で17%上昇しました。株価は指数関数的に動きますから当然とは言え、10/28には6%株価が上昇しており20兆円企業としては凄い急峻な株価上昇ですね。
メルクの本社が出した世界での売り上げを確認しました。第三 四半期の決算書によると2019年度の391億ドルから2020年は415億ドルと8%の増加しています。次年度のガイダンスは13.5%増を見込んでおり強いです。ただ、これらは既存の薬による売り上げであり上述のモルヌピラビルの60億ドルは加わっていません。最近の株価の値動きは納得ですね。
私は偶然この株式を保有して居ましたので短期間で含み益が出ました。ただ、新薬を期待した短期投資はやや危険です。例えば、不動産であれば センミツ
(つまり、千戸に3つしかまともな物件は無い)と言う言葉が有名ですが、こと製薬業界では マンミツ (一万に一つ、新薬物になるかどうか)よりも低い確率でしか新たな薬剤は市場に出て来ないからです。上市している既存薬剤の適応追加承認を目指した臨床試験の途中経過が芳しく無い時にも株価が動きます。
私は今のところ株式を売却せずに株価が上がっても下がっても気にせずに配当マシーンとして、のんびりと持ち続けるつまりです。ヒヤヒヤせずに枕を高くして眠られる投資をしたいですね。
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