良くなるカラダ

診察の場では患者さんに伝えにくい事をお話しします 専門家としてのつぶやきに加えて趣味の株式投資と大好きな不動産投資や節税策などについても積極的に発言します

クスリの名前色々

このシリーズをやり出せば恐らく一生続けられます。そのくらい日本で流通する薬は多いです。私の専門分野の薬はくまなく暗記して居ますが他分野の薬は旧来からのものや汎用薬しか暗記していません。



私の専門分野の薬剤で最近出たもので二次性副甲状腺機能亢進症治療薬のウパシタという新薬があります。これは腎不全の患者さんの身体では副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態となり、その結果として骨からリンおよびカルシウムの血中への流出が促進されてしまいます。主成分であるカルシウム受容体作動薬であるウパシカルセトと患者さんが迎える“明日”をかけてウパシタと冠したようです。



昔、頑固な性格の後輩の先生が患者さんと大きな声で言い合いをしていて仲裁に入った事があります。患者さんは「ポカスだけが足りないので処方して欲しい」、後輩の先生は「世の中にポカスなどと言う名の薬は存在しないから処方しない」と平行線です。カルテを見ると高脂血症治療薬のリポバスの処方がありリポバスをポカスと記憶違いしていると気付きました。後輩の先生を諭して薬の名前違いを指摘して差し上げる様に伝えて処方させました。



ウパシタの外観です。透析の機器にある静脈チャンバーから投与しますので患者さんは服用の手間がなく、また確実に投与可能です




こうやって由来を聞くと薬剤の名前を忘れませんので、新薬が出るとネットで由来を調べるか製薬会社の担当者に由来をお聞きする様にしています。