良くなるカラダ

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尿をしたあとに下着が濡れないようにするには


このブログをお読み頂いている方は学生さんなどは、ほぼ皆無と思われますので今日は、排尿の事、特に用を足したあとに下着に染みがつく現症について書いてみたいと思います。医学の世界では排尿後滴下と言われます。英語ではafter dripと表現されたりpost void dribblingとか表現されたりします。


具体的には排尿をしたあとに、尿道先端中心にあたたかい感覚があるときがあったり、局部に冷っとした感覚がある場合もあれば、気がつくとズボンに尿シミができていたりします。この原因は尿道憩室・排尿時の膀胱の収縮不全・排尿をしたあとの尿道の角度が尿たまりができやすいものであるなど様々な憶測がなされています。しかし、排尿を専門としている医師として最も可能性が高いであろうと思っていることは骨盤底筋群の脆弱化です。医師であっても排尿後滴下は男性に特徴的と思っている方がおられますが、これは間違いで頻度こそ少なくても女性にも起こりえます。事実、何人もの女性で排尿後滴下を自覚されている例に遭遇しました。


これに対応する薬剤は、残念ながらありません。頻尿改善薬の抗コリン薬が手助けをする可能性が多少あると記載を見かけますが、私は違うと考えています。


男性であれば

1.時間をかけてゆっくり排尿


2.排尿後にペニスを振る(ご経験がありますよね?)


3.底筋群を絞る感覚を身につける


あたりでしょうか、1.は誰でも行っていると思います。2.は実はアジア特有の癖で、欧米の男性はペニスを振り回さず付け根からしごく操作を行って排尿後滴下を防ぐことが多いです。3.は私が最も大事と考えていることです。骨盤底筋は年齢とともに弱って行きます。そのために臓器脱が起こるのです。これを防ぐには骨格筋である骨盤底筋群をトレーニングするしかありません。尿道を閉鎖させるイメージで毎日トレーニングするのです。


女性であれば

1.時間をかけてゆっくり排尿


2.底筋群を絞る感覚を身につける


の2つしか考えられません。
私は、尿道を手術で露出させて観察することも日常的に行っており、医学書にある通り尿道の中に筋肉がないことはしっています。男性の場合は尿道の周囲に海綿体が存在し、強固な膠原繊維の白膜がこれを覆っています。骨盤底筋の一部、球海綿体筋はこの回りにあるのです。女性でも同様で、尿道粘膜自体には筋肉はありません。それを囲うように骨盤底筋が存在するのです。




私といえば、専門家であるにもかかわらず、時々排尿後滴下があります。1.2.3.で最も効果を上げた方法はもちろん3.の尿道周囲の筋トレです。 骨盤底筋体操なるものがあり書店でも多く並んでいますが、問題は誰も続けられないことにあります。無理のない程度の継続が大事かもしれません。





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